DESIGNTaro Kiguma
2026年10月3日より、東京・白金台の東京都庭園美術館で「マリメッコ展 模様のちから Marimekko: Art of Printmaking -Beauty, Dream, Love」が開催される。フィンランドを代表するデザインハウス「マリメッコ」は、1951年の創業以来、鮮やかな色彩と楽しいパターンで世界中の人々を魅了し続けてきた。ブランド名は「マリのドレス」を意味し、これまでに世に送り出されたプリント・デザインは3,500種類以上にのぼる。本展では、アーカイブやコレクションから貴重なドレスやファブリック、資料を通して、ブランドを探求する。

《ウニッコ》マイヤ・イソラ 1964年 © Marimekko Oyj Suomi-Finland Maija Isola 1964 画像提供:東京都庭園美術館
マリメッコの創業者アルミ・ラティアが目指したのは、流行に左右されず、時代を超えて愛される「タイムレスなドレス」だった。本展の大きな見どころの一つが、ブランド初期の貴重なヴィンテージドレスから最新コレクションにいたるまで、60点以上を一堂に集めたドレスの展示だ。キャンバスに描かれた絵画のような模様が際立つドレスの一着一着からは、プリントによって色と形が織りなす豊かな表現力を体感することができる。アートピースとしての存在感を放つドレスを通じて、時代を経ても決して色褪せることのないブランドのデザイン哲学を伝える。

Fun in Finland 1964年 Photo_Tony Vaccaro / Tony Vaccaro Archives 画像提供:東京都庭園美術館

ヘルシンキにあるマリメッコのプリント工場、1965年 Photo_Tony Vaccaro / Tony Vaccaro Archives ハンドスクリーンでファブリックをプリントする様子 画像提供:東京都庭園美術館
マリメッコのものづくりの中核であり、「アートが生まれる現場」とも言えるのがフィンランド・ヘルシンキにある自社のプリント・ファクトリーだ。ここではデザイナーやアーティスト、熟練した職人たちが互いを尊重しながら、手仕事のぬくもりと高度な技法を用いて日々新たなデザインの可能性を追求している。本展では、このプリント・ファクトリーの熱気と創造力を伝えるため、アートユニット「plaplax」による映像インスタレーションを制作。現地を取材して制作された映像作品を通じて、生地にプリントが施されていく過程や色と形が織りなすコントラストを展示室内でダイナミックに表現する。
会場となる東京都庭園美術館の本館(旧朝香宮邸)は、1930年代のアール・デコ装飾を基調とし、日本の伝統的なデザインも随所に施された歴史的な建造物だ。かつて皇族の邸宅として使われたこの場所は、建築の細部やインテリアに美しい「模様」が息づいている。クラシカルな空間にマリメッコの鮮やかで生命力あふれるデザインが加わることで、名建築とモダンなテキスタイルが美しく共鳴。デザインが時空を超えて融合し、東京展でしか味わえない唯一無二の鑑賞体験となるだろう。
マリメッコと日本は、長年にわたり深く特別な関係を築いてきた。1960年代に活躍した脇阪克二や1970年代の石本藤雄をはじめ、多くの日本人デザイナーがマリメッコの歴史に大きな足跡を残している。また、自然への温かいまなざしやシンプルな造形など、両者のデザインには共通する感性が息づいている。本展では、日本のファッションブランド「ミナ ペルホネン」のデザイナー、皆川明がゲストとして参加。マリメッコとの対話を重ねてその世界観を再解釈した新作ファブリックとそれを用いたインスタレーションが展示される(下記のInstagramの投稿は京都展での様子)。
東京都庭園美術館での会期は2026年12月20日まで。なお、本展は2026年7月より京都文化博物館からスタートした巡回展の一環として開催されている。2027年1月には、ひろしま美術館で開催され、今後は北九州、富山、名古屋、長崎と全国各地への巡回も予定されている。
「マリメッコ展 模様のちから Marimekko: Art of Printmaking -Beauty, Dream, Love」
東京都庭園美術館 東京都港区白金台5–21–9
2026年10月3日〜12月20日(日時指定予約制)