
ARCHITECTURETaro Kiguma
東京・江東区に2026年10月30日、「ダンデライオン・チョコレート 清澄白河ファクトリー」がオープンする。限定メニューはもちろん、ファクトリーツアーやワークショップなど魅力がたくさん詰まった、蔵前に続く2つめの旗艦拠点となる。また建築家・加藤匡毅がブランドに深くコミットして生まれている点にも注目。

大型の焙煎機は、外からもよく見えるアイコンだ。
チョコレートの製造現場を一般にできる限り開放し、訪れた人々が五感で製造工程を体感できる新たな旗艦拠点のコンセプトは「劇場型ファクトリー」だ。木場公園の東側に位置する、「ダンデライオン・チョコレート 清澄白河ファクトリー」は、総面積約300坪・3階建てという国内最大規模の「Bean to Bar」チョコレート・メーカーの設備を誇る。1階のファクトリーフロアは、天井高約5.5m、約100坪の開放的な空間が広がり、カカオ豆がチョコレートになるまでの全工程を間近に見渡せるよう設計されている。
設計した建築家の加藤匡毅は「ここは、チョコレートというより元であるカカオ豆に注目して、カカオ文化を広めるための場所です。農園から届いた豆を選別して、焙煎。そして溶かして固めるという製造工程を見てもらい、深く知ってもらうために、製造工程の流れがそのままストレートにレイアウトになっています」と語る。
職人が実際に作業する姿や機械の稼働を間近に感じられるだけでなく、職人との対話を楽しめるファクトリーツアーも2026年11月上旬より開始される予定だ。2階には開放的なカフェラウンジに加え、ガラス越しに製造の様子が見えるジェラート専用キッチンを併設。産地ごとの個性を味わうテイスティングや、初心者や親子向けのワークショップ、ものづくりをテーマにしたイベントなどが順次展開される。さらに3階には新商品の研究開発ラボを兼ねたセントラルキッチンを備え、ブランドのクリエイティブの中核を担う。

店舗限定ドリンク「キヨスミホットチョコレート」 1,200円。アイスも可能。
新店舗では、ここでしか味わえない限定ドリンクや新たな試みとなるスイーツが提供される。注目の限定メニューが「キヨスミホットチョコレート」。地元・清澄白河の紅茶専門店「TEAPOND」のアッサム産アールグレイ茶葉と同じくインド産カカオのチョコレートをブレンドした、カカオの豊かなコクと華やかな紅茶の香りが溶け合う特別な一杯に仕上がっている。
また、店内の専用キッチンで一つひとつ手づくりされるジェラートが新たに登場する。温度や口どけによってカカオ本来の香りや風味が広がるジェラートは、産地ごとの味わいを直感的に楽しめる「冷たいチョコレート体験」を提案するものだ。ラインナップには、乳製品を使わずに仕立てた「H2O CHOCOLATE」をはじめ、ミルクやカカオニブ、ブラウニーを組み合わせたフレーバーが揃う。異なるシングルオリジンのフレーバーを食べ比べ、好みのカカオを探求できる点も大きな魅力だ。店内での飲食はもちろん、テイクアウトして近隣の木場公園を散策しながら楽しむスタイルも提案されており、カカオの多彩な表情を堪能できる魅力的なメニュー展開となっている。

「H2O CHOCOLATE セムリキ」「フォレスト, ウガンダ」「H2O CHOCOLATE パリメ, トーゴ」「H2O CHOCOLATE ココア・カミリ, タンザニア」「チョコレートミルク」「ニブミルク」「チャンキーブラウニー」「チョコチップミント」のうち、日替わりで6種類を提供予定。 2スクープで1,000円、3スクープで1,200円。

中央には飲食カウンター。周囲に焙煎機など製造工程が順を追ってレイアウトされている。
設計した建築家の加藤匡毅は2026年7月1日に「ダンデライオン・チョコレート・ジャパン株式会社」の社外取締役に就任している。建築家がブランドの深層にコミットしている点も実にユニークだ。
「建築家やデザイナーが表層だけのデザインにとどまると、結果として表層的な表現が得意な別の人に変わってもいいことになってしまいます。そうではなく、より深いところで『ブランドを通じて社会を良くする』ことにコミットしていくこと。そうした建築的な思考は、ブランド側にとっても大いに有効なはずです。 ダンデライオン・チョコレートが生み出すカカオを使って、クリエイティブに魅力を多くの人へ伝えていける場所になっていければ、という思いから、私は微力ながら空間デザインの面でお手伝いをしています。そして、普段は接点がないようなブランドや、ものづくりに携わる方々とともに新たな場所をつくっていくことも、私の大切な使命の一つだと考えています」(加藤匡毅)
新店舗のオープンに伴い「ダンデライオン・チョコレート」と東京メトロは資本業務提携に基づくコラボレーションの第一弾を発表した。これは、「ダンデライオン・チョコレート 清澄白河ファクトリー」のすぐ近隣に開業予定の東京メトロ有楽町線の延伸に伴い新設される「(仮称)千石駅」との連携を想定している。
第一弾として、東京メトロおよび都営交通の対象一日乗車券をレジで提示すると会計が10%割引となる「CHIKATOKU」に参画する。さらに、店内に専用端末を設置し、メトポに登録したPASMOで清澄白河駅または木場駅を利用して来店した人を対象に、最大15%オフのクーポンが当たる「メトポICタッチキャンペーン」も順次実施される予定だ。
両社は今後も新駅開業に向け、地域の歴史やアート、クラフト文化を活かした体験型コンテンツの共同開発や、沿線ネットワークを活用したプロモーションなどを継続的に展開していく。鉄道事業者とブランドが一体となって地域に根ざし、エリア全体の回遊性と持続的な発展を目指す新たなモデルに期待したい。
ダンデライオン・チョコレート 清澄白河ファクトリー
東京都江東区平野4-10-5 営業時間:10:00〜18:00