ARTTaro Kiguma
現代美術家のゲルハルト・リヒターと作曲家のスティーブ・ライヒのコラボレーション作品が日本で初演されることが決定した。映像と音楽作品『Moving Picture (946-3) Reich/Richter』が2026年11月6日と7日の2日間、東京・赤坂の草月ホールにて上演される。

Moving Picture (946-3) Film by Gerhard Richter & Corinna Belz, Music: Steve Reich, Montage: Rudi Heinen © Gerhard Richter and Corinna Belz. Curated by Hans Ulrich Obrist and Alex Poots
本作は、現代美術界で最も重要なアーティストのひとりであるゲルハルト・リヒターと、ミニマル・ミュージックの先駆者として知られる作曲家スティーブ・ライヒによる共演作だ。映像はリヒターが映画監督のコリーナ・ベルツと共同制作したもので、自身の絵画《Abstraktes Bild (CR 946-3)》を写真を元に細かく分解・分割・鏡像化・再構成することで絶えず変容する抽象世界を表現している。この映像技法は、反復と微小な変化(位相変移/フェイジング)によって音を展開させるライヒ独自の作曲プロセスと構造的に深く呼応しており、時間・音・イメージが融合した新しい芸術体験を提示する。
2019年にニューヨークの「The Shed」で世界初演され絶賛された本作が、ライヒの90歳を祝う記念すべき年に満を持して日本初演を迎える。演奏は国内外の現代音楽シーンで高い実績を誇る「アンサンブル・ノマド」が担当する。
さらに本公演では、韓国の新星イ・ハヌリが音を物質のように立ち上げる作品《stuff #3》や、1960年代に草月アートセンターと深い縁があった武満徹の打楽器曲《雨の樹》も合わせて披露される。歴史的巨匠たちによる唯一無二の共演と挑戦的なプログラムに注目したい。

Moving Picture (946-3) Film by Gerhard Richter & Corinna Belz, Music: Steve Reich, Montage: Rudi Heinen © Gerhard Richter and Corinna Belz. Curated by Hans Ulrich Obrist and Alex Poots