
DESIGNTaro Kiguma
Googleは2026年8月12日、「Google Pixel 11」シリーズや「Google Pixel Watch 5」シリーズを発表した。いずれのモデルもGeminiとの連携により、実用的なAI機能が強化されている。上位モデル「Pixel 11 Pro」には、最大120倍のズームカメラが搭載。LEDによるスマートな通知機能「HiLight」も。
発表会の冒頭でGoogle Pixel プロダクト マネジメント シニアディレクターのピーター・プルナスキー氏は象徴的なメッセージを伝えた。
「最近、私たちは誰もがデジタルとの常時接続が『デジタル・ディストラクション(Digital Distraction、集中力を欠いた状態)』であると実感しています。毎日スマホに手を伸ばし、絶えず通知に気を取られています。現在、テクノロジーとの関係を再考することが必要だと考えています。それを実現するためには、私たちは人々が本当に大切にしていること、つまり大切な人とのつながりや新しいことを学習する喜び、今この瞬間を大切にすることや豊かな時間を生み出すことに根ざしていなければなりません。スマホの操作に費やす時間を減らし、自分自身の人生を進めるための時間を有効に使えるような状況。それこそが『Gemini Intelligence』の根底にあるアイデアです。何かを達成するためにスマホを開く、そうした日常の何十もの瞬間をシンプルにします。これはテクノロジーの使い方における大きな転換点ですが、最新のPixelポートフォリオは、ユーザーの負担を最小限に抑えつつ、ユーザーのためにより多くのことをこなすよう設計されています。最新のPixelハードウェアは、パーソナルで、プロアクティブ(先回り的)で生産的で、ユーザーが豊かな時間を取り戻す手助けをします」
これはユーザーの誰もが感じていることで、身近なデバイスがこれらの問題を解決する方向に舵が切られていることは、最近の各社のトレンドではないだろうか。今回発表された製品群は徐々にではあるが、プロダクトとして具体的に実装されはじめてきている、と感じられた新製品群だった。

カラーは左から「オブシディアン」「ピスタチオ」「ハイビスカス」「フロスト」の4色。
シリーズの基本となるモデルが「Pixel 11」だ。ディスプレイは6.3インチで前世代から変更はない。Pixelシリーズに特徴的なカメラバーの出っ張りは、前世代と比較して40%スリムになった。さらに純正ケースを装着するとカメラバーの段差がカバーされ、目立たなくなる設計となっている。カメラ性能も強化された。広角カメラには、光感度が56%向上した新しい48メガピクセルのメインセンサーを搭載し、特に低照度環境下で綺麗な写真や動画を撮影できる。望遠カメラは10.8メガピクセルのセンサーを搭載し、光学10倍相当、最大30倍の超解像ズームに対応する。ストレージ容量は前世代から倍増し、256GB。バッテリー駆動時間は30時間以上で、ワイヤレス充電は25WのQi2.2をサポート。また、有線で30分充電すれば55%まで回復する。
撮影した動画からAIが約400フレームを分析して、12メガピクセルのベストショット写真として生成する「マジック キャプチャー」機能や、自撮り動画の撮影に便利なプロンプター機能を提供する「クリエイター スイート」を搭載する。また、Geminiによる「AI 音声入力」を使えば、 「えーと」や「あの」といった言い淀みも自動的に省いて書き起こしてくれる。また、撮影することなく、カメラのファインダー内から「かこって検索」が使えるようになる使い勝手を向上させるアップデートも。価格は、RAM12GB/ストレージ256GBモデルで13万6800円から。8月20日に発売される。

カメラバーの右端にあるのが「HiLight」。
カメラ性能が強化され、独自のハードウェア機能「HiLight(ハイライト)」を搭載する上位モデルが「Pixel 11 Pro」だ。48メガピクセルの望遠カメラは、大型化した1/1.95インチの新しいセンサーを採用し、光感度が30%向上。「Tensor G6」チップと最新のイメージングモデルの組み合わせにより、最大120倍のズームが可能となった。また、画面を見ずに重要な通知を受け取れる新機能が「HiLight」だ。これはカメラバー内に組み込まれたLEDのことで、事前に電話の発信者を5色に割り当てておくと、着信時にその光の色で静かに通知する仕組みだ。現在は電話の着信のみが対象だが、将来的にはメッセージの通知にも対応する予定となっている。価格は、RAM12GB/ストレージ256GBモデルで17万4800円から。8月20日に発売される。

シリーズのデザインやカラーリングは、カリフォルニアの自然からインスピレーションを得ている。

「Pixel 11 Pro XL」シリーズ。カラーは左から「オブシディアン」「ピスタチオ」「フロスト」「キャニオン」の4色。
上位モデルには、より大画面の「Pixel 11 Pro XL」も用意されている。基本性能は「Pixel 11 Pro」と同等だが、ディスプレイが大型化されている。6.8インチのディスプレイはより明るくなり、ピーク輝度が3600ニトに向上。ディスプレイガラスには「Corning Gorilla Glass Victus 2」を採用し、耐落下性能、防塵、耐水性能が向上したほか、耐傷性も2倍に高められている。価格は、RAM12GB/ストレージ256GBモデルで20万7800円から。8月20日に発売される。

「Pixel 11 Pro Fold」オリーブ。ほかに「オブシディアン」も。「HiLight」も搭載。折りたたみモデルの要となるヒンジはギアレス。
活況を見せる折りたたみ(フォルダブル)スマートフォンのGoogle Pixel版が「Pixel 11 Pro Fold」だ。前世代と比較して0.7mm薄く、19g軽くなった。堅牢性も向上しており、バックカバーを複合素材で強化したことで、前世代の3倍の耐久性を実現。IP68の防塵・防水性能も備える。内側には8インチのディスプレイを搭載し、開くと2076×2152ピクセルのほぼ正方形のOLED大画面で動画などを楽しめる。折りたたんだ状態では6.5インチとなり、通常のProモデルと同様の使い方が可能だ。バッテリー駆動時間は24時間以上。ピーク輝度は3600ニトに向上している。価格は、RAM16GB/ストレージ256GBモデルで27万9900円から。8月20日に発売される。

開くと8インチの大画面。ベゼルもスリムになっている。前世代よりもディスプレイのガラス層が厚くなっているので、折り目がより目立ちにくい。

(左)41mm、(右)45mm。
前世代から処理速度が20%向上し、AI関連の機能が強化されたスマートウォッチ「Pixel Watch 5」も発表された。ケース径は45mmと41mmの2サイズ展開で、デザインに大幅な変更はない。Geminiと連携する「Google Health Coach AI」を使えば、自分専用の計画を立てることができる。睡眠、フィットネス、健康状態をデバイスが理解し、能動的にパーソナライズされたトレーニングを提供する。また、Google マップと連携する高精度GPSトラッキングにより、前世代から2倍正確なルートマッピングを実現した。価格は41mmモデルが6万2800円から、45mmモデルが6万7800円から。8月20日に発売される。

忘れ物防止などに役立つトラッキングタグ「Pixel Tag」も発表された。11月に発売予定で、価格は1個入りパックが5,010円、4個入りパックが1万6940円。

「Google Pixel Buds Pro 2」に新色のオリーブが追加。細かなアップデートも行われ、「OK Google, 低音を強調して」と話しかけるだけで操作が可能に。