
INTERIORTaro Kiguma
ルイスポールセンは、デンマーク・コペンハーゲンで6月10〜12日に開催された「3daysofdesign2026」にて、ポール・ヘニングセンによる「システムPH」の誕生100周年を記念した企画「PHOREVER」を開催した。新作「PH 5 オパール」の発表や意外なインスタレーション、デンマーク・コペンハーゲンで創業した歴史あるパティスリーとのポップアップカフェ企画など、さまざまな切り口で構成されたイベントで、ブランドの世界観を立体的に訴求していた。

ショールームでの新作「PH 5 オパール」の展示。
1958年、ポール・ヘニングセンは多様な形・サイズの電球に対応しながらも眩しさを抑えた照明として「PH 5」を生み出した。それから70年近くが経った2026年、オリジナルのデザインをそのままスケールダウンした新作「PH 5 オパール」が発表された。オリジナルの500mmから、現代の住環境でより使いやすい320mmへと小型化。素材に半透明の樹脂を採用したことで、既存のプロダクトよりも手に取りやすい価格帯を実現している。また、シェードが金属から半透明のアクリル樹脂に変わったことで、上方向にも美しい光が柔らかく拡散されるのが最大の特徴だ。小ぶりなサイズ感を生かしたレイアウトの自由度も高く、小さめのテーブルなら1灯で十分だが、広めのテーブルやカウンタートップには2灯を組み合わせることで、より洗練されたダイニング空間を演出できる。
「1958年、1926年に3枚シェードのシステムPHで示した原理を礎に、ポール・ヘニングセンは、人の心地よさを中心に据えた“ まぶしさのない光” の追求をさらに進めました。重なり合うシェードに、トランペット形のトップ、そして2つの防眩要素を組み合わせることで、明快さ、均衡、そして目的意識に根ざしたPH 5を生み出したのです。今年、新しい仕様で登場したPH 5は、新たな輝きをまといます。半透明のシェードが光をより豊かに繊細にやわらげ拡散し、時代を超えるデザインに新しい表情を与えます」(モニーク・フェイバー/ルイスポールセン チーフデザインオフィサー)
ショールーム脇には、コペンハーゲンを拠点とするデザイン・ビルドスタジオのPennyが「システムPH」を再解釈した、大規模なインスタレーション作品「Into the Shades」が出現した。ファブリックや木材を素材に用いた本作は、「システムPH」の硬質で構造的イメージとは一線を画し、風に自由になびく有機的な姿で見事に来場者の期待を裏切っていた。重なり合うファブリックは、やわらかく均質な光のニュアンスを表現している。同時にファブリックは生涯にわたって凧を愛したポール・ヘニングセンへのオマージュでもある。

写真中央が2026年冬に発売予定のフロアタイプ。
ショールームでは2026年で生誕100年を迎えた、ヴァーナー・パントンの作品「パンテラ」シリーズの復刻プロダクトも煌びやかに展示されていた。1971年に構想されたままのトランペット型のクロームスタンド仕様とオリジナルの5色で復刻されたものだ。2026年冬に新たにフロアタイプが発売予定。

1870年にデンマーク・コペンハーゲンで創業した「Conditori La Glace」とのコラボレーションカフェも賑わっていた。
世界中で長年愛されてきたポール・ヘニングセンやヴァーナー・パントンの名作を、最大の敬意を持って新しい素材や考え方によって現代の暮らしに合うようアップデートし続ける。私たちの生活をより豊かな方向へ導こうとする、歴史ある照明ブランドの真摯な姿勢が率直に表れた展示だった。