
INTERIORTaro Kiguma
カール・ハンセン&サンは、デンマーク・コペンハーゲンで6月10〜12日に開催された「3daysofdesign2026」にて「CH24P」(Yチェア)レザーシート仕様などを展覧会形式で発表した。会場ではハンス J. ウェグナーのタイムレスな作品と現代のデザイナーによる作品が共鳴し、ブランドの風格と奥行きを感じることができた。
会場は、コペンハーゲンのフラッグシップストア。展覧会名を「Balanced Principles」とし、素材やフォルムや機能がそれぞれ相互に作用し、職人の高い技術力でどのように結実しているのかを紐解く内容だった。デンマークデザインにおいて重要なデザイナーのひとり、ハンス J. ウェグナーのタイムレスな作品と現代のデザイナーによる新作が響きあっていた。

「CH24P(Yチェア)」レザーシート仕様。
「CH24P(Yチェア)」レザーシート仕様
ハンス J. ウェグナーの名作の新たな解釈として「CH24(Yチェア)」のレザーシート仕様「CH24P」が発表された。座面がペーパーコードからレザーに変更されたタイプで、長く愛用すると身体によく馴染んできそうだ。また、レザーの経年変化も時間をかけて楽しめる。誰もが知るウェグナーのタイムレスな名作においても、今なお新しい提案を続けるブランドの姿勢を象徴するプロダクトだった。日本では一部仕様が2026年10月から11月まで特別価格になるキャンペーンを予定。

「CH24P(Yチェア)」レザーシート仕様。139,000円〜 or 152,900円〜。

「FK64 シミターチェア」
「FK64 シミターチェア」
1963年にコペンハーゲンで開催された「The Cabinetmakers' Autumn Exhibition(家具職人の秋季展)」でファブリシャス&カストホルムにより発表された作品を元に復刻した。デンマークにおいて、スチールを用いたモダンな家具デザインとして重要な作品と国際的に評価されている。「シミター」とは三日月刀を意味し、三日月のようなステンレス製の脚部が軽やかさを印象付ける。座ってみると、見た目の印象通りにまるで浮いているかのようなふわふわとしたリラックスした座り心地だった。少し緊張感のあるフォルムとは対照的に感じて驚きがあった。比較的低い姿勢となるデザインは、デザイナーがレバノンで生活していた頃にラグの上に腰をおろして床に近い姿勢でくつろぐ様子からインスピレーションを得ている。成形合板により薄く仕上げられたシート部分は、複雑な曲線によって身体にやさしく沿う。オリジナルのレザーのほかにファブリック仕様もあり、こちらは優しい印象だ。日本では2026年10月から発売予定。

ショールームでの展示より。ステンレス製の脚部が三日月のようで美しい。
「OS111 ベゴニアペンダント」
光を扱うプロダクトで定評のあるオイヴァン・スロットによる、ベゴニアの花から着想を得たペンダントも発表された。温かみのあるゴールドで仕上げたアルミフレームが軽やかなポリプロピレン製の半透明のシェードを纏っている。シェードが光を柔らかく拡散させて、眩しさの無い光を生み出す。

「OS111 ベゴニアペンダント」。日本発売時期は未定。
会場では、展覧会名にちなんで「バランス」を可視化するプロダクトとして、モビール作品も展示されていた。ロンドンを拠点とするデザインデュオ、メンセンによるもので製品の製造過程で生まれた端材を利用している。来場者が参加して、モビールを制作して持ち帰ることもできた。ブランドとしてのサステナビリティへの注力がスマートにアピールされていた。

2026年4月にイタリア・ミラノで開催されたミラノデザインウィークで発表された、ウェグナーによる「CH280 ソファ」や「CH086 コーヒーテーブル」も既存の作品とともにスタイリングされていた。「CH280 ソファ」は、アームレスト付きユニットとミドルユニットとフットスツールという3つのモジュールを自由に組み合わせることができる、モジュール式のソファシステムだ。どこから見ても木製のフレームが美しい。
ハンス J. ウェグナーのタイムレスな作品や知られざるデンマーク家具の名作をモダンに解釈して現代に提案する、という歴史あるブランドとして重要な「復刻」という軸。そして、クラフトマンシップを重んじ、現代で活躍するデザイナーとも新しい挑戦を試みるという、ふたつの軸がカール・ハンセン&サンの現在であることを「Balanced Principles」という展覧会で極めてわかりやすく表現していた。
お問い合わせ:カール・ハンセン&サン 東京本店 03-6455-5522