ARTTaro Kiguma
フランス・パリのフォンダシオン ルイ・ヴィトンは、2026年10月9日よりギュスターヴ・ファイエに関する大規模な展覧会を開催する。フランス国内外64の文化機関と71の個人コレクションの協力を得て実現するものだ。

フィンセント・ファン・ゴッホ《包帯をしてパイプをくわえた自画像》。Oil on canvas, 49,5x44,2cm. Private Collection. Photo_Peter Schälchli
本展「近代美術のアイコン ギュスターヴ・ファイエ——コレクター、そして創造者」は実業家であり、美術コレクターであり、クリエイターでもあったギュスターヴ・ファイエ(1865–1925)の全貌に迫る、大規模な展覧会だ。フォンダシオン ルイ・ヴィトンの全展示空間を使用して、「コレクター」と「創造者」の二部構成で作品や資料など計740点を総覧する。
コレクターとしての側面を紐解くパートでは、世界各地に散在するコレクションから250点を超える名作が一堂に集結する。当時ファイエは、いち早くゴッホの作品を収集し、ピカソの作品を展示し、パリ中心部の自邸に約200点の作品を収集していた。本展最大の見どころは、フィンセント・ファン・ゴッホの絵画《包帯をしてパイプをくわえた自画像》のフランスへの帰還だ。国内での展示は1937年以来、貸し出しも1990年以来初となる貴重な機会であり、ポール・ゴーギャンの《パレットを持つ自画像》との対話が実現する。さらにゴーギャンの《黄色いキリスト》をはじめとする代表的な3作品が一堂に会するほか、ファイエが改修したフォンフロワド修道院のためにオディロン・ルドンが描いた伝説的な壁面装飾画《昼》《夜》《沈黙》が、今回初めて一般公開される。セザンヌやドガ、マティスらの傑作も揃う。
一方、クリエイターとしての側面を紐解くパートでは、大半が修復を経て初公開となるファイエ自身の作品325点を紹介する。彼は画家としてのみならず、陶芸や吸取紙を用いた独特の水彩画、絨毯や織物などの装飾芸術でもアール・ヌーヴォーからアール・デコ期にかけて多彩な才能を発揮し、当時、彼の作品はポール・ポワレやジャンヌ・ランヴァンら影響力のある人物たちを次々と魅了していた。本展のために修復されたドレスや絨毯の原寸図案も披露される。収集と創造を自分の人生として体現したファイエの足跡を通じ、近代美術と装飾芸術の歴史を壮大なスケールで振り返る。

ギュスターヴ・ファイエの作品より。Gustave Fayet, Marine, s. d. Oil on canvas, 38x60,3cm. Private Collection.
「近代美術のアイコン ギュスターヴ・ファイエ——コレクター、そして創造者」2026年10月9日〜2027年3月8日
フォンダシオン ルイ・ヴィトン